MSX ROMカートリッジボード REV2

KZ80-MSXCTRG

以前、KZ80マイコン 偽MSX1計画の一貫で MSX ROMカートリッジボードを作成しました。いつもの100mm x 750mmサイズで製造したため、ROMカートリッジが1スロット仕様でした。
コロナ禍でプリント基板製造は控えていたのですが、そろそろ作ってみたくなり、MSX ROMカートリッジ 2スロット対応ボードを作ってみました。いろいろと課題はありますが、動きました。

[2022/6/5]
回路図を見るとわかりますが、REV2基板のSBC8080バス付近についてるC5(10uF)電解コンデンサですが、極性が間違っています。
プリント基板のシルク印刷も回路間違いと同じく極性が間違っています、ご注意ください。

2スロットにすると…

MSXカートリッジスロットを2スロットにすると何が嬉しいかといいますと、かの有名なシューティングゲーム”グラディウス2″なんかは、スロット2に別のゲーム”ガリウスの迷宮”を挿していると自機が破壊された時に装備が戻る裏技が使えたりするらしいのです。

これはぜひ試してみたいw 目標があるとプリント基板を作るモチベーションが上がります!

回路はREV1基板とほぼいっしょ

回路図は以下の通りです。githubにKiCADデータなどといっしょにUPしています。

REV1基板と回路は ほぼいっしょです。変更したところは以下になります。

  • 起動時のRSフリップフロップをリセットするためのORゲート(74HC32)の入力端子を念の為プルアップしました。KZ80-PS2KBDなどのPPI(8255)からのケーブルが、無接続になるタイミングがありOPENになってしまいそうだったので…
  • MSX ROMカートリッジスロットの2スロット目を搭載しました。ピン4のスロット信号は、REV1基板でも74HC139で作っていたSLT2信号を繋げています。それ以外は1スロット目と一緒です。
  • ROMカートリッジ1/2からの音楽信号の端子に、電解コンデンサと抵抗を配備しました。
  • 今回も、+/-12V端子など無接続の端子があります。MSX ROMゲームカートリッジが動くことを目標としたもので…てへ。またバスバッファも省略しています。

基板は100mm x 100mm(10cm x 10cm)へ変更

ROMカートリッジを挿すコネクタは、50ピンカードエッジコネクタです。(2×25ピン) PC-8001のCPU拡張バスといっしょです。わかりづらい例えですね…

わりと場所をとることもあり、従来の100mm x 750mmサイズでは収まりきらなかったので、安価にプリント基板を製造できる最大の大きさにしてみました。プリント基板の出来上がり予想をKiCADの3D表示で見てみるとこんな感じでした。ネジ穴は、他の基板と合体できるように100mm x 750mmのサイズに合わせています。

プリント基板製造 & 稼働テスト

プリント基板製造結果

プリント基板は、Tomi9さんとご一緒させていただきましてJLCPCBで製造していただきました。出来上がりはトップ画像にもしましたが、こんな感じです。

基板の左下の部分が丸く欠けていますが、わたしのKiCADでのデータ作成が悪かったみたいで、左下の原点に なんとなく「層合わせターゲット」というものをつけてしまったのですが(よく分からずつけてしまったのですが…)、JLCPCBの製造ではそこが反応してしまったらしく、丸く半円形に削げてしまいました。

この部分は特に配線があるわけでもなかったので、無問題でした。結果オーライで、よかったです〜♪

ゲームROM稼働テスト(1スロット〜2スロット)

まずは、スロット1にゲームROMカセットを装着して起動テストしてみました。DIGDUGです。こちらは無事稼働!! 以前PICO-BASE280にブスブスと挿した状態で稼働させたままだったので、バラック風ですが…

つづきまして、待望(?)の シューティングゲーム「グラディウス2」と「ガリウスの迷宮」2枚挿しであります。こちらも無事「グラディウス2」が起動しまして、へたっぴな私は自機がすぐやられて爆発するんですけども、ちゃんと次には装備をリストアできる裏技(w)が発動してくれました。
裏技が発動してもたいして先に進めないんですけどね…

せっかく2スロット対応となりましたので、またジュラコンスペーサで階層構造に戻しまして6段構成のKZ80 偽MSX1として構成いたしました。

基板の既知のバグと今後

基板を作ってみて、いろいろと既知のバグが発見されています。回避可能ですが、次期バージョンでは治したいと思います。

SBC8080バス近くの電解コンデンサの極性間違い

今回REV2基板の部品組付けをしていて違和感があり発見したのですが、REV1基板からの間違いでした。回路図を見ると見事に電解コンデンサC5の極性間違いをしています。とほほ。

実基板上では、C5のシルクの+/-が逆なので気をつけてください。次回のリビジョンで修正します。

ROMからの音楽出力端子の場所問題

ROMカートリッジ内蔵のSCCなどの音源出力を、KZ80-YM2149(PSG音源)ボードへ引っ張っていくための端子ですが、当初 基板の空いている場所が少なかった時代にROMカートリッジの真下に配置してしまいました。

もともとL型ピンヘッダを予定していたので高さをそれほど取る予定ではなかったのですが、ためしに今回部品を組み付けしているときにXHコネクタの横向き端子などをのせてみたところ、ROMカートリッジと高さが干渉してしまい無理とわかりました。
XHコネクタにできると極性間違いがなくなるため、ストレスフリーだなぁと画策していたのですが場所が悪かったのです。こちらも次回リビジョン作成時には、もうちょっと広めの場所へ移設したいと思います。とほほ。

ROMカートリッジからの音楽出力端子の抵抗値

同じくROMカートリッジの出力端子の抵抗値ですが、なにかを参考に22kΩで接続しています。ちょっとこれだとSCCの音が小さめだったので、100Ωとか50Ωとかで良いかな?と思ったりしています。

次リビジョンや、他基板の対応予定

上に書いた通り、いろいろと治したいところが出てきているため、次リビジョンで修正したいと思います。また、ROMカートリッジ基板以外の PS/2キーボードMSXアダプタ(ロジックICの+と-逆接続)や、偽MSX1対応するためにはメモリーボード(KZ80-1MSRAM)のパターンカットしないとならない問題、PSGボードのSCC外部端子とか、せっかくだからカセットテープI/Fモつけてみたいとか….いろいろと治して、つなげば偽MSX1パソコンとして稼働!を目指したいと思います。

というわけで、他の基板を ぼちぼちと治していきたいと思っているわけであります。

コメント