KZ80マイコン 偽MSX1へ〜ビデオボード(3)

KZ80-TMS9918A

前回、小型モニターにTMS9918AビデオボードからNTSC映像が映ったのであとはカラーで表示されるとたいへんうれしい感じです。

コンポジット出力回路について

TMS9918AビデオLSIから出力する部分の回路は、元の回路図では以下のようになっています。

上記回路図は、以下の回路図から引用

https://github.com/jblang/TMS9918A/blob/master/TMS9918.pdf

Vcc +5Vへ接続する部分のフェライトビーズはFBA04HA600VB-00が推奨されていますが、手に入らなかったので秋月電子通販ででていた、こちらのEMI除去フィルタを使用しました。

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トランジスタは入手性の良い2SC1855を使用しました。ちなみにTMS9918Aのデータシートでは、コンポジット出力段は以下のような330Ωぐらいのプルダウン抵抗1つでしめされています。(これでも映像は映ります)

TMS9918Aデータシート

こんな単純な回路でもカラーが出ると説明されているのに、わたしの4インチ小型モニターではガサガサの白黒っぽい画像しかでませんでした。

出力波形を見てみる

出力波形が崩れているのかと思い、Analog Discovery2のオシロスコープ機能を使って出力信号波形を見てみました。

最初の波形が無信号状態。次が画面外枠付きでASCIIキャラクターを表示した場合の信号の一部、一番右がカラーバースト信号あたりを拡大したものです。
NTSC信号っぽい波形はちゃんと出てます。カラーバースト信号というのも出ている感じ。ちょっと気になるのが画像が出たときにカラーバースト信号がマイナス側に振れているように見えます。

改良した回路

パソコン通信時代からの友人 GB250氏に相談したところ、いろいろとシミュレーションしてカラーバースト信号がマイナスに振れないような回路を検討してくれました。以下の回路です。

で、再度オシロで信号を見てみると、以下のような感じでいい感じになりました。ただ件の小型モニターの表示は以前白黒っぽいガサガサ画像のままです。

原因は小型モニターがボロ

結論から言うと、確認で使っていた小型モニターがボロでTMS9918AのNTSC信号に対応できてなかったみたいです。
アナログビデオのテープをパソコンに取り込んでデジタル化するために以前買ってあったGV-USB2というI/OデータのUSBキャプチャケーブルでWindowsパソコンに映像を投影してみたところ、カラーで表示されていました。
これはちょっと拍子抜けでありました。お騒がせしました….(X_X)>

ちなみに、元にさせていただいたgithubにあるサンプルプログラムでASCII文字一覧とマンデルブロ画像をカラーで出したものが以下になります。

プリント基板化しました

ユニバーサル基板で回路の動作が確認できましたので、いつもの深センのJLCPCBへ依頼してプリント基板化してみました。

ユニバーサル基板に比べて部品を詰めて配置できましたので、RCAコンポジットコネクタを含めて10cmx7cmのいつものサイズの基板にすべて搭載できました。

ビデオボードに関する回路図、基板製造(ガーバー)データなど

いままで説明した KZ80マイコンでTMS9918Aビデオカードを動かすための回路や基板製作のためのガーバーデータなどは以下のgithubで公開しています。ご覧ください。

GitHub - kuninet/KZ80-TMS9918A: KZ80シリーズ SBC8080バスにつながるTMS9918Aビデオボードプロジェクト
KZ80シリーズ SBC8080バスにつながるTMS9918Aビデオボードプロジェクト. Contribute to kuninet/KZ80-TMS9918A development by creating an account on GitHub.

MSX1と同じLSIを使ったビデオボードが動きましたので、追加で必要なものを追加していけば 偽MSX1パソコンもどきとして動くのでは?という野望がこのときに湧き上がってきたわけであります。つづきはまた….

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