PC-8001用 FM音源 YM2203ボード プリント基板化

PC-8001

以前、ユニバーサル基板で作って動かしたFM音源 YM2203を搭載したプリント基板を作りました。
回路としては以前と一緒です。ただ、テストするときにPC-8001の一部を壊しまして、ちょっとビビりましたw 復活してよかったです。(T-T)

YM2203 FM音源ボードプリント基板

以前は、KZ80-YM2151 FM音源ボードの子基板として作った YM2203ボードをPC-8001へ搭載するという技で無事 FM音源で音楽演奏ができました。今回は回路的にはほぼいっしょで、プリント基板化しました。MSX ROMカートリッジボード、PC-8001 128kバイトメモリーボードといっしょにJLCPCBさんで作ってもらいました。

他の基板と一緒でPC-8001のうしろのCPU拡張バスからフラットケーブルを伸ばして接続します。

回路など…

回路や、基板パターンはgithubへUPしています。詳細はそちらをご覧ください。

Release リリース1.0 · kuninet/PC8001-YM2203
REV1 基板リリース

回路図は以下のような感じです。

74LS138でYM2203のアドレスをデコード。クロックも秋月電子で売っているトランジスタサイズのTO-92パッケージに入った3.579545MHzです。

FM音源のデジタル信号をアナログへ変換するIC(DAC)は専用のYM3014Bを使います。YM2203は汎用I/O端子がありましてPC-8801などではジョイスティックなどを装備できたようですので、なにかに使えるようにいつもの14P(2×7)の2つの端子を出しておきます。

ICソケットなどを実装してPC-8001へつないでテスト

まずはICソケットとか、汎用I/Oのボックスヘッダ14Pなどを装備しまして、基板上の+5VとGNDが短絡していないことをテスターで確認したのちPC-8001へつないでテストしました。

前回ご紹介したPC-8001用 128kボードは問題なし。テスターで+5VがICソケットに来ていることが確認できまして…..
本基板 YM2203ボードを接続して電源を入れるとPC-8001が異音を発して画面が暗転しました。ヤバいと思って電源をすぐ切りましたが時すでに遅く、電源を再投入するとPC-8001のBEEP音が「ぴーーーーーーー」と虚しく鳴り響きN-BASIC ROMが起動しなくなりました。ちょっとこのときは軽く絶望しました。「ああ、30数年のつきあいのPC-8001とお別れ?」という思いが去来して….

故障原因は….

ここのところ老眼がひどく進んできまして、半田付けしながら 2.54mmピッチのICの足ですら半田ブリッジしがちだったのです。きっと半田ブリッジしているものとあたりをつけて、本基板 YM2203ボードの半田づけした面をメガネを外してじーーーーーっとみていたところ、以下のPC-8001 CPU拡張バスの「-12V」と「ROMDS0」(N-BASIC ROMのアドレス0000h〜2FFFFh無効化)が半田ブリッジでショートしてました。

これは、N-BASICのROMかそれに至る途中のロジックICをやっちゃったという線が濃厚です。+5Vで駆動する74LSシリーズを-12Vで駆動しちゃったわけで、壊れるのは必定。

PC-8001の回路図をみてみた

昔のパソコンは雑誌で独自解析した回路図が掲載されることが多かったのです。PC-8001の回路図は、かつてASCII誌やI/O誌に掲載されてまして、わたしはPC-8001の回路図が掲載されたエンサイクロペディアASCIIという合本のVol.7を持ってましたので、さっそくみてみました。

ROMDS0」信号線は、本体背面のカードエッジコネクタから本体へ入ってくると双方向バスバッファ74LS245を経由して接続されています。その部分だけ回路を書いてみるとこんな感じです。

PC-8001の電源を投入すると、パイロットランプがついてBEEP音が鳴りっぱなしになります。プルアップ抵抗経由で電源が逝っちゃった?というのも疑いましたが、スイッチング電源ユニットのケーブルを外して電圧を測ってみると、+5Vと+/-12Vは正しく出ているようですので電源を壊したわけではなさそう。IC5の74LS245が壊れているっぽいです。

いろいろと小細工してみましたが、結局 はんだシュッ太郎

当然ですが、PC-8001のIC類は CPUなどの大物以外はICソケットなどはついてなくてプリント基板に直接半田付けされています。「ROMDS0」信号線だけ10kΩぐらいの抵抗器でプルアップしてやったら動くかも??とか、IC5の74LS245が死んでいるならば親亀子亀方式で上に正常なICを載せてやったら復活するかも?など小細工をしましたがNGでした。

結局、PC-8001のマザーボードを外しまして、はんだシュッ太郎の登板であります。ただ、30年以上前の半田なのでうまく吸いません。追い半田して何度か吸ってみたところだいぶ取れました。

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結局それでも完璧にはスルーホールの半田が取れなくて、IC5 の74LS245の足をニッパーで切断。残った足を半田吸収線で掃除しながら除去することでICを外すことができました。下の写真は苦闘の末外されたPC-8001搭載の74LS245です。

手持ち部品箱には74LS245がありませんでした。74HCT245はありましたので、信号レベル的にはTTL入力OKなはずなので行けると踏んでそれをPC-8001へ搭載。
祈りながら電源ON!! 無事N-BASICの画面が出たときには「やった!!」と歓声を上げてしまいました。PC-8001が復活しました。(T-T)

FM音源ICなど部品を搭載してテスト

まったくの予定外の出来事で苦労しちゃいましたが、以前つくって動作したユニバーサル基板の部品をプリント基板のほうに搭載しまして、以前作ったVGM音楽プレーヤーを稼働させてFM音源の音楽が鳴るかテストしてみました。

無事 YM2203でFM音源やPGG部分の音楽が演奏できました!! PC-8001のオンメモリに演奏プログラムと演奏データ(ネットの海をさがすと出てきます)を置くので、あまり長い曲は演奏できませんが、YM2203が自作プリント基板でPC-8001で鳴らすことができたので、感動であります。

PC8001-YM2203/sample/VGM2203.asm at master · kuninet/PC8001-YM2203
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ちなみに、前回ご紹介した128kBボードと組み合わせてプログラムを工夫(バンク切り替えなど)すると、いにしえのゲームミュージックなんかが鳴らせるぐらいの容量を確保できます。
ぜひぜひチャレンジしてください。問題は128kバイトをテープ600ボーのインターフェースでロードすると30分ぐらい待たないとダメってところぐらいですかねぇ。私は以前手動でバンク切り替えしながら、ちまちまとデータをロードして128kBぐらいの演奏データを鳴らしましたw

反省…

ちょっとPC-8001に搭載する前のテストをサボったおかげで、一部のICを壊すという失態を演じてしまいまして、今回は74LS245を1つ交換して事なきを得たのですが、もっと重要なICを壊していたら再起不能だったわけで、もっとよく基板を確認してから接続せねばと肝に命じたのでありました。

治ってよかった〜♪ ほんとビビりました。

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