先日、秋月電子で売っているRTC(時計)IC RTC-7301DGをPC-8001に装備して実験してみました。先日の回路で短時間は電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)でバックアップ電源にできたものの、数時間で電圧が0Vになってしまいまして….
回路の見直しをいたしました。
電流が漏れ出す
前回の回路図が上記になります。RTC(時計)ICとアドレスデコーダにしている74HC138はCMOSタイプですので電気をあまり食わないだろうと高を括っていたのですが、実際に稼働してみると数時間で4.5Vあった電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)の電圧が1Vも下がったりしてしまいまして何が悪いの?ということで色々と回路をいじってみました。
気になったところは数点…
- Vccとの間に入れている逆流防止ダイオードを、あまり順方向電圧が高くないショットキーバリアダイオード1S4にしてました。こいつは数十mAオーダーで逆流することがある模様。
- RTC ICのチップイネーブルCS1端子につけたリセットICがVcc OFFのときにGNDに落ちる回路のはずですが、そこから漏れてないか?
- これはきっと漏れてなかったと思います…
- アドレスデコーダ74HC138と入力端子をプルアップ(TTL信号レベルをCMOSレベルへ引っ張り上げ…)したところが電気食ってるかも?
- プルアップ抵抗がバックアップ電源につながっているためPC-8001拡張バス側に、バックアップ電流がダダ漏れだった模様です。
改良した回路 その1
いろいろと部品を外してシンプル回路になってしまいましたが、以下のような改良?を実施しました。
- Vccへの逆流防止ダイオードをスイッチングダイオード1N4148へ変更
- RTCのチップイネーブルCS1端子は単純にVccへ10kΩを通してプルアップ。Vcc断時にはデータシート上 同端子は内部でプルアップされているということで対処なし。
- アドレスデコーダ74HC138の電源と入力端子のプルアップ抵抗はVccへ接続。
これでバックアップするICはRTC(時計)ICだけになって万全と思っていたのですが….電気二重層コンデンサ(1F)の両端電圧を電源OFF状態で観測すると10分あたり0.05V低下してしまっていました。リニアに電圧低下するとしても数時間で4.5Vから3V以下に下がっちゃいます。
上の図にも書きましたが、#CS0とアドレスデコーダ間に電位差が生じていたのが原因でした。#CS0は内部でプルアップされています。Vcc断となった場合その内部プルアップのおかげで電位差が生じて漏れ電流が74HC138側に流れたと想像します。
更に改良した回路
ひとまず当初の作戦に戻して、アドレスデコーダー74HC138の電源はバックアップ電源から取るように変更しました。これで電位差がなくなりました。
PC-8001バス信号線をつなぐ入力側のプルアップ抵抗はVccから取ることにして、Vcc断となった際のPC-8001側への電流ダダ漏れをなくすことを考えました。
Vcc断となると74HC138の入力がOpenになっちゃうのがイマイチですけど…
これである程度時間をおいて計測したところ、電気二重層コンデンサ(1F)の電圧低下は1時間あたり0.003V程度まで減少しました。計算上は20日ぐらいは電源OFFで持つことになるので1週間、2週間PC-8001にさわらないことがあっても計時を続けてくれそうです。これでしばらく様子をみたいと思います。
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